Home > 野生動物との秘密の時間 > おおいなる再会  そして別れ

おおいなる再会  そして別れ


 この仔カモシカには、3月28日に初めて出会った。その時の写真だ。
 角はごらんのとおりに細く短い。体格は親の8割くらいに見えるようすから、昨年の春に生まれたこどもであることは間違いない。下の母親と思われる固体から10m程離れては、ハイイヌガヤを食べたり、周りを見回したりちょこちょこと動き回っている。こちらが少しでも動くと不安そうに親の影に入っていた。少年ぽくってかわいい。
 

 4月13日 連れ添っていた母カモシカ。
通常、生まれた子供は母親と1~3年間過ごすが、弟か妹が生まれると独立する。
昨日、母親に会ったが2時間以上も一人で行動していたので、仔にあいたいと思って出かけたら、なんと三棟の裏の駒さんたちの炭焼き窯の横の岩にどーんと座っていたので驚いた。なかなかどうしてどうにいったもので、貫禄も出てきた。別の固体の可能性もあるので帰ってから画像を分析してみたが、おそらく同一固体だ。一人立ちしたのだ。

子別れのタイミングは定かでないが、まだ次の子が生まれていないのに、子別れ、親別れをするのだろうか? また、まもなく次の子供が生まれるのだろうか? そういった細かな点までは本には書かれていないし、事実、判明しているわけではない点も多い。もりくらで生まれた仔が発見されるのはすべてGW明けだ、まだ早い?
 そこまで考えてやっと、気づいた。同じエリアで去年の春に撮られた親子の写真があった。
 あわてて探し、拡大して調べてみると、母親の角輪が一致。去年にGWから7月ごろまで3,4回目撃して成長ぶりに驚いていたあの仔カモシカだったのだ。

この1年で成長し、親別れをしてこれから自分の力で生きて行かねばならない。三棟周辺は縄張りが交錯して生息頭数も多いので、ここに新たなテリトリーを持つことは困難だろうし、結局は新天地を求めて外に出て行くしかないのかも知れない。
 何よりまた、逢えたとしても角も変わり、身体的特徴も変わってしまっては、同じカモシカかどうかもわからないだろうことが寂しさを増す。
  これで、永久に彼には会えないか、会えても彼とはわからないだろう。せめてここしばらくの間に、また会えるなら、しっかり彼とわかるものを見出したいと思う。
 (最後の写真は2008年5月末に戸谷撮影。それにしても彼女の写真はやっぱり凄い。)
 


 

Comments:3

KG兄 09-04-21 (火) 22:11

ともさんのかもしかに対する情熱が伝わってきた今回のブログです。
私も長年?(たかが七八年ですが)もりくらにかかわってきたものの、カモシカの現物!はマジで目撃した事はなかったんですが、先日朝方白州の先で見て、その次の日今度は下の県道で見たので、今年は
カモシカのあたり年では!と思いました。なんせそんなのにあんま興味しめさん人間の前に二回も現れたのですから!
ではまた。byKG兄

ともたか 09-04-22 (水) 8:07

自分は結構カモシカ遭遇率高めな人です!(笑)
回数にすると3回森に行くと1回は見るというくらいですか。
でも哀しいかな、カメラのレンズが望遠じゃないので、
写真では残っていないんですが…
こういう熱いブログを読むと、ちょっとでも自分も近づきたくなっちゃうんですよねー!
ってことで、今度は望遠レンズが欲しくなったこのごろでした…

ともたか 09-04-22 (水) 8:07

自分は結構カモシカ遭遇率高めな人です!(笑)
回数にすると3回森に行くと1回は見るというくらいですか。
でも哀しいかな、カメラのレンズが望遠じゃないので、
写真では残っていないんですが…
こういう熱いブログを読むと、ちょっとでも自分も近づきたくなっちゃうんですよねー!
ってことで、今度は望遠レンズが欲しくなったこのごろでした…

Comment Form
Remember personal info

Trackbacks:0

Trackback URL for this entry
https://iroribata.morikura.com/archives/366/trackback
Listed below are links to weblogs that reference
おおいなる再会  そして別れ from 森からの便り by もりくら仲間@千年の森自然学校

Home > 野生動物との秘密の時間 > おおいなる再会  そして別れ

Recent Entries
コメントありがとう!
Archives
Search
Feeds
Meta

Return to page top