- 2011-03-29 (火) 23:45
- 大切にしていること(コンセプト)
マンサクの花が満開を迎えている。じつは開花は あの3月11日だった。
すべての花が同時に開花する木なので、花の時期は短いと思っていた。あれから、「暖かい日が続いて暖冬だったから花が早い」とか、一昨日の様に「今頃雪が20センチも積もって春が遅くなる」という具合に、マンサクの花にとっては どうでもいい いい加減な話が飛び交う。
真っ先に咲いて、しかも3週間近く他の花が追いついてこない間、唯一の花として山を彩って来た。
すごい命。
・・・・・・・・・
私達の山は、電気もガスも水道もないだけではなくて、便利な設備や表示やマニュアルなどに頼らない自己責任のスタイルが、いざと言う時の訓練になると言われ続けてきました。
無論、それを大切に思うからこそ道案内の標識ですら排除して来たのだけれど、それも何か違うと思って来ました。この19日間でやっと確信したのですが、
いざという時にだけ意味があるのではなくて
平時にも、先を見越した視点を持って常に備えていることが、当たり前であるべきなんですね。
で、そういう生き方が、「日常の有るべき姿」なんですね。
さすれば、僕らが山でやっている
いつも危険や
不便や
生き物の死があって
予測不可能な大自然があって
その中で
有るモノで
臨機応変に
何とかしていく
というやり方は
やっぱり大切なことですね
若い頃、たくさんの国や地域を見てきて
飢餓や
戦争や
無知や
それこそ命の重さが何処にあるのかわからない世界をたくさん見ました
事故で仲間の命を失ったことも ありました
いつも漠然と 今の日本人が忘れていること を感じていました
やっぱり 僕らの山(もりくら)は 必要だと思います。
もっと自身を持って行きましょう。
追伸
たとえばですが・・・・私達は「この水(湧き水)飲めますか???」という多くの方に、どのような水か説明したあと
「ですが、答えは人に聞くのではなく 自分が飲むか飲まないかですよ。」
と
このめんどくさい会話を何百回もして来た私達の、根底にあるものに気づき始めています。
- 次の記事: 親父の会 案内
- 前の記事: 青い空も眩しい月も・・・
Comments:6
- よっくん 11-03-30 (水) 23:32
-
前回の月の記事もそうですが、
ともさんの自然の事象に関する表現がとても好きです。
臨場感が伝わってくるというか、こういった表現をいつも勉強させてもらってます。
森くらの意義というか、スタイルや魅力について同感です。
正直、似たような違和感を抱いていました。
今、日本人が忘れていること。
ともさんより、まだまだ見た世界が少ないので、
本当にぼんやりとですが、感覚的には俺も感じています。
だからこそ、もっと世界を見たいという思いが最近こみあげています。
現状の自分に環境に不満なわけではありませんが・・・。
このままでいいのか?という思いが、突如おそってくることがあります。
今回、被災地ボランティアを志願しているのも、
ある意味そのへんの感覚的な部分や世界を見たいという気持ちを確かめたいという目的もあります。
追伸の文とても深いですね・・・。
現在の状況を転機にすることも、このやりとりと似ている気がします。
こんな時代だからこそ、自分の直感に実直に生きたいですね。 - tomo 11-03-30 (水) 23:38
-
よっくん
いろんな人がいるけど、
こんな時のもやもや感が、この先10年、20年と自分の中で大きくなって行く人が一部います。
僕がそうだから 断言しますが、あなたも そんな人です。 - みーしゃん 11-03-31 (木) 11:31
-
うちの8歳7歳5歳の3人の子供ですが、今回の地震の被害のニュースを「すげー」という感覚で見ています。
先日、もりくらでカモシカの子供の死体を見つけ、小屋までソリで運んだのはうちの子供達です。
その後、このブログのカモシカが、元気だった頃の写真を見せ、どう思うか聞いてみると「うーん、かわいそう」「ソリは重かったけど、おれがんばったよ」という感想でした。
生きるという事の重さを、ちっとも感じていないんですよね。
とはいっても、親の私自身も、似たようなものです。
もりくらで、生きていくためには、自分で水をくんだり火をたいたり、自分自身の安全を守ったりしなければならないという体験を重ねていけば、少しずつ変わっていくのでしょうか。
これは今の我が家の大きな課題です。 - ともしげ 11-03-31 (木) 23:25
-
みーしゃん そして すべての人に
命の重さを学ぶのに、そんな短時間で出来るはずないです。
自分の人生のすべての時間を費やすものでしょ。
ただ 僕らに必要なのは、それを学べる機会にめぐり会えたこどもの時間を奪わないことだけです。
虫を手に取った時
飼うといった時(その後、面倒を見ないで殺してしまうのでしょうけど。何度でもね)
ケンカを始めた時
人の死も見せてやりたい。
大人の本当の涙も当然。
こどもの力、順応する力を解ってないというか、
大人の癖に、なにも見てこなかったツケが回って来ています。僕らも見ましょう。毎月回ってくる回覧板に、アフガンでもリビアでも、次々に世界で起こる大切な事象が語られています。
対岸の火事を思えばすべてが遠くへ。
人事でないと思えば それは 今日の私達の問題に昇華するだけのこと。
- yukiko 11-04-19 (火) 19:47
-
朝重孝治 の名前を検索して出会ったのが、このページでした。自然とともに暮らしている、あなたの生き方を感動しながら見ました。これから時々、tomoさんの自然をのぞきにきます!
- tomoshige 11-04-21 (木) 0:20
-
yukikoさん
光栄です。森に集う素晴らしい人たちも、是非みてください。森でもお待ちしています。
Trackbacks:0
- Trackback URL for this entry
- https://iroribata.morikura.com/archives/548/trackback
- Listed below are links to weblogs that reference
- それでも春は近づいている from 森からの便り by もりくら仲間@千年の森自然学校